「ひきだし」第32回 表現力は人づくりをしていくことで育成される

 今回は、「表現力は人づくりをしていくことで育成される」についてお話を進めていきます。

 少し前になりますが、お隣の野菜作りの師匠に苗を植える時期を聞いて、アドバイスを頂きながら5月9日に猫の額ほどの畑?に胡瓜、トマトの苗それぞれ2本を植えました。そこから毎朝、苗とにらめっこしています。子どもみたいに感じています(苦笑 いつも天気がいいわけでありません。雨の日もあれば風の強い日もあります。苗を植えたての頃は根が成長しているかとても心配です。

 さて、子どもに表現力をどう育てていくかを考えるとき、どうしても書く力、話す力をどう養うかといって、言語に関する能力を育てることに目が行きがちです。このこと自体誤っているわけではありません。方法や技術を考えるまえに「言葉のもつ力」について考えてみませんか!

 話しはそれますが、私の猫の額ほどの畑?は苗を植える約90日前から土の手入れを始めます。昨年の根を取り除き、酸素を含ませ、灰をまくことで土を中和するために土を掘り起こします。そして、土を寝かせます。週に1度くらい土を掘り起こして不要なものを取り除きながら酸素を含ませます。それを繰り返す中で養分を加えていきます。苗を植える前に結構手間がかかります。

 「土の持つ力」を何度も失敗して学んだから手間をかけます。また、植物は育てている人の足音を聞いて成長すると大昔、祖母から教わりました。

 人の心は言葉に表れます。言葉は相手のこころに影響を与えます。心の優しい人の言葉は人を優しくしたり励ましたりします。逆に言葉は人をいじめたり陥れたりすることがあります。言葉はそれを使う人の心(どれだけ相手を思っているか!)によって、諸刃の剣になる場合もあります。

 他者との良好な関係がつくられていることが表現力の育成にとって重要なのですね。
 表現力を育てる営みは心を耕すことであり、人づくりだと思います。人は環境の中で育ちます。大人がそれを意識して、創造していくことをしなければ心を耕すことができません。

 周りの大人が子どもの様子に興味を持って、気に掛けていることが子どもの「表現力を育む土壌」になるのではないかと感じます。

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