「ひきだし」第43回 「プログラム」と「プログラミング」のことばの違いから考える。

今回のテーマは、「プログラム」と「プログラミング」のことばの違いから考える。

 「プログラム」とは、物事の予定や行事の進行、演劇やコンサートの演目・曲目についての計画という意味です。この場合のプログラムは、人が人に対して日本語や他の言語で進行の手順を指定します。プログラム通りに行事や演目を進めるのも人が行います。

 コンピューターにおいては、あらゆる処理の手順や内容がコンピューター言語(プログラミング)で指定されます。「プログラミング」とはコンピューターに指示を与えるということです。それによってコンピューターはその指示通りに動くということになります。

考えてみると、人はプログラムがなくても行動できます。コンピューターはプログラミングされなければ動けません。また、人はリアルタイムにプログラムを修正して行動することができますが、コンピューターはプログラミングされた通りに処理を続けます。

結局は人が考えるということです。人の生活がよりよくなるようにコンピューターが組み込まれた道具を使い、それによってできた時間を休息にあてたり、自分の可能性をさらに広げる学びにあてたり。どんな指示をされても正確に行うのがコンピューターです。私たちは、世のため、人のために何を考えるかが問われているかもしれません。

これからの時代はますます、自分がどうしたいのか?を突き詰められます。利己ではなく、利他の気持ちになって何をしていくか。何ができるかを考えていかなければコンピューターが悪用されるようになります。

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「ひきだし」第42回 今の子どもたちに求められている教育とは何か その3

今回のテーマも、前回の続きです。

サブテーマ 「プログラミングは目的ではなく、目的意識をやしなう“手段”」

学校のプログラミング学習は、プログラマーを育成するためのモノなのでしょうか?(その中からプロは出てくる場合もありますが)もしそうでないとすれば、何のために学校教育に取り入れたのでしょう。下記のような背景もあります・・・

日本のIT人材は、2030年に80万人、アメリカでも40万人不足すると言われています。IT先進国に後れを取ってしまっているという現状が背景にあるのでは? 日本は2025年までにプログラミング人材を100万人増やすことを目標にしているということも、世界のスピードについて行っていないと勘ぐってしまします。

将来、どんな社会なっているか誰も予測することができない!ということを保護者の方が、子どもとの会話の中でたまに触れているでしょうか。触れていたら、そんな社会を生き抜いていくために必要な力は「社会の変化を予測し、柔軟に対応する力」なんだよ!話してあげることが出来ます。変化を予測するためには、知識や技能が今まで以上に必要になってきますし、対応するためには相応のスキルが必要になることも子ども目線で話すことが出来ます。

今求められている学びとは「行動をともなうアウトプット型の学び」です。この学びは、前回も書きましたが「楽しくなければ継続できない」モノです。教科の学びに「プログラミング的思考」を導入することにより、「自らゴールを決め、それを達成するために逆算し、必要なパーツを考え、積み上げていく」ことで目的を達成するスパイラルが生まれる。

もしそうであれば、プログラミングはそれ自体が目的となるのではなく、従来の教科を学ぶ意味づけ、学びの目的意識を与えられるという可能性を持っていると考えられます。「何のためにプログラミングを学ぶのか」という子どもの疑問に対する一つの答えになるかもしれません。

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「ひきだし」第41回 今の子どもたちに求められている教育とは何か その2

今回のテーマは、前回の続きです。

サブテーマ 「新しい価値をつくりだせる力を育む」

いきなりですが、電話機。今ではスマートホーン(2010年代に登場)が主流。1985年に携帯電話が生まれ36年間で、電話だけでなくテレビや音楽がどこでも見られたり聞けたりできる。写真だって取れて送れたりもする。世界中の人と一瞬に情報交換や共有もできる。また知りたいことも簡単に検索できるまで進化し続けています。こんなこと、36年前に誰が想像したでしょうか。

電話に「新しい価値」がどんどん付加されて行く流れの速い社会の中。今まで考えもしなかったことが学校でも始まっています。昨年度は、小学校に、今年からは中学校に、そして来年度は高校の授業に「情報Ⅰ」として必修化される「プログラミング教育」は何を目的として導入されたのでしょう?

想像し「新しい価値を逆算して」形にした人やチームは、試行錯誤の繰り返しだったと思います。あきらめずに学び、知識を組み合わせて完成させた。作っているときは「楽しかった!」「おもしろかった!」のではないかと思います。おもしろければ、それだけで学ぶ理由にもなりますし、継続できますよね。

それが学びの原点かもしれません。プログラミングもそうなのです。プログラミングに触れた子どもたちのほとんどは、「楽しかった!」「またやってみたい!」という反応を示します。何が子どもたちを掻き立てるのでしょうか。

自分が想像した、作りたいものを自分の判断で作ることが出来る。そこには競争もないし、点数化もされません。自分の自由なキャンパスだけがある。そんな時間は楽しいと思います。

 プログラミングは、多様な表現手段を持っています。子どもたちにとっては魔法の宝箱かもしれませんね。ここに「新しい価値を生み出す」種がたくさんあるのだと思います。また、今まで気づかなかった自分の中に眠っていたものが目を覚ますかもしれませんね。

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「ひきだし」第40回 今の子どもたちに求められている教育とは何か

今回のテーマは、「今の子どもたちに求められている教育とは何か」です。
今回は、5月の「ひきだし」に書いたことを掘り下げて行ってみようと思っています。

サブテーマ 「学びの体力」

今の子どもたちが「生き抜いていく」社会がどのようになっているか誰も想像できません!それが、現実だということを保護者の方に理解して欲しいと思います。チョッときつい表現になりますが、保護者の方が、最新の正しい情報を、意識してつかみに行くということを、今まで以上に求められます。

それでは、誰も想像できない社会で生き抜いていくために必要な教育とは?何なのでしょうか。

今、言われているのは、「今まで以上に、アウトプットできる知識を身につけ、実際に行動に落とし込む技能を習得していくという学びが必要」と言われています。

そのためには試行錯誤できる『体力』が必要です。その『体力』をどのように身につけるのか?が、これからを大きく左右すると経験してきました。私たちは『学びの体力』と呼んでいます。

例えば、高校入試の試験時間は、国語・数学・英語 各60分、理科・社会 各50分です。その中に休み時間や昼食の時間があっても緊張しています。緊張しながら7時間強、意識を維持し、姿勢を崩さずに問題と向き合うことが出来る『体力』がなければ正解を導くことや自分の間違いに気づくことが出来ません。

この『学びの体力』は普段の学習に対する意識からしか身につけることが出来ないことを観てきました。実は、背筋を伸ばし、肘をつかず問題と向き合うことを小さいうちから意識して行動に移しているかどうかの違いだけなのです。集中力も違ってきますね!

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